アトピー生活

アトピー性皮膚炎とのなが〜い付き合い

いざ、思春期

中学1年の初夏、ついにやってきた。母に言ったら「おめでとう」なんて言ってたが、私としては何か暗雲立ち込めるような想いがした。
しかし、「思春期が来ればアトピーは治る」と医者が言っていたのは忘れない。漢方内科の医院長だけじゃなく、総合病院でも言われたと記憶する。ホルモンバランスが変わるから云々。もしかして、もしかして良くなったりするのかしら……。

が、やはり良くなったりなんてしなかった。どころかパッドの蒸れでかゆくて堪らず、やっかいな悪化要因がひとつ増えただけ。「結局私は一生このままなんだな」と諦念を抱いた。


小3くらいから自分のアトピーによる見てくれは重々承知していて、「一生異性に愛されることはないだろう」とすら思っていた。その分、「せめて人間としてちゃんと生きよう」と心に決めた。
たまには好きな子ができたりしたが、それでも一言二言話して喜ぶ程度で、仲を深めようなんて考えられなかった(元来奥手、という可能性もなくはない…)。
そもそも私が世間一般のように異性といちゃいちゃする図がまるで創造できず、そんなだから妊娠・出産なんてもう話にならない。もし万が一妊娠したとして、アトピーの酷い状態でお腹の出っ張った日常や入院出産が可能なのかと考え、大丈夫な気はまるでしなかった。それなのに毎月余分な手間だけが増えて、全くめでたくない心境だ。


さらには、である。良くなるどころか、むしろその後アトピーがみるみる悪化していった。原因ははっきり分からないが、どうも中学生になってよほど疲れるようになったみたいで、それが影響したんだろうか。
当時、母親が準夜勤務で遅く帰ってくる日は、伝達事項とともにその日あった出来事をノートに書いて置いておいた。物持ちの良いうちの親は未だにそれをとっていて、小学校の時はなんでもないようなことを楽しそうに色々書いていたのが、中学になると次第に疲れた疲れたが増えて、そのうち白紙のページになった。あまり覚えていないけど、授業時間がのびたり環境が変わった影響だろうか?


とにかく身体から顔から真っ赤に腫れて、頭皮も常にジュクジュク(崩れた皮膚から浸出液が滲む状態)になった。毎朝起きると布団に黄色い汁と大量の抜け毛。それでも学校には通っていたが、とにかく常に疲れていて家に帰ると寝てばかりいた。毎日毎日毛がたくさん抜けて「そのうちハゲるな」と戦慄を覚えた。10年に及ぶアトピーの症状が極まった感じだった。