アトピー生活

アトピー性皮膚炎とのなが〜い付き合い

あるある? 〜小学校時代〜

<いろんなものをベタベタにする>
自然に保湿ができないため手先にもワセリンをつける。できるだけ肌に擦り込むようにするが、どうしても油分が残る。故に基本的に触った物がベタベタになる。簡単に拭けるものならいいが、

  • リモコンのボタンはやっかいで、拭きにくいし、拭いたティッシュがくっついたりする。
  • 黒い本の表紙やCDのブックレットにしっかり指紋が残る。これは丹念に拭いても綺麗に取りきれない。友達に借りたものなど、細心の注意が必要。
  • 消しゴムがテカテカになって消せなくなる。こうなるともう患部を削り落とすしかない。気をつけてプラスチックケース以外は触らないようにせねばならない。

同級生に「はさみ貸して」と言ったら「嫌だ」と顔をしかめられたことがあった。「貸すとベタベタになる」と言われてグサッと来たが、確かにその通りなんです…!



<「髪に砂ついてるよ」と言われる>
つまり「フケ出てるよ」ということである。この言い方は優しさなのか、いやらしさなのか。未だに判別がつかない。



<見せ物扱いされる>
いかに肌を隠そうと頑張っても、どうにもできないのが体育。水着は6、7月だけの辛抱だが、体操服は一年中。あのブルマー。つけ根から丸出しになる足。
体操座りで待機中、剥き出しになったブツブツの腫れた肌を、女子生徒の一人が「ねーねー、触らしてぇ」と意地の悪さたっぷりに聞いてくる。そして指の先でつついて「キャーッ」と声をあげ、子分みたいな友達にも触るよう促す。そして二人で甲高い笑い声を立てるのだった。
さらには「◯◯ちゃんも触ってみなよ」と回りに拡大させて行く。話を振られた大人びた上品な女子生徒が、私の足を見て眉をしかめ、真剣に首を横に振ったあの顔。何も言わずとも感情が手に取れるような、いい表情だった。こちらとしても、その怖れが分からないわけではない。
もし自分が正常な肌だったら、アトピーの人に対して「うつらないかな…」という気持ちすら抱いたのではないか。※ 伝染しません。



<ちょっとした優しさに心打たれる>
当時、私の学校でプールの着替えは男女いっしょだった。せいぜい男子が前側、女子が後ろ側というくらい。みんな片側にゴムが入ったバスタオル(最近はラップタオルと言うみたい)をガボッと被って、その中で水着に着替える。
ある日そのラップタオルを忘れてしまって、「トイレで着替えるのやだなあ」と思いながら教室を出ようとしたら、一人の女子生徒が「忘れたの?」と声をかけてきた。そして、「うちの使っていいよ!」と自分のラップタオルを差し出した。そんな直に肌に触れるものを私に!?と驚嘆し、「本当にいいの…!?」と聞くと、当然のように私の手の中に押し込んだ。
身長が高くて、放課後の陸上クラブに所属していて、大きなフォームで走るのが速かったTさん。あなたはなんてやさしい人なんだ! 私は溢れんばかりの感激を胸に、「今後クラスでこの人に何かあったら、必ず味方になろう」という誓いを反芻したのだった。

実際、私の肌のことなどさして気にせず接してくれる子も、たくさんいたのだ。