アトピー生活

アトピー性皮膚炎とのなが〜い付き合い

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

日々 土佐清水⑧

アトピー性皮膚炎治療の為の、土佐清水病院での入院 ( 民宿からの通院 ) 生活にはすぐに慣れた。 治療は基本毎晩病院に通い、サンドバスという特殊な石粒に埋まって肌を柔らかくする風呂 (?) に入ったあと、軟膏を全身に塗って包帯でぐるぐる巻きにされるの…

患者さんたち 土佐清水⑦

病院・民宿ともにアトピー性皮膚炎の患者ばかりだったから、気持ち的に非常に楽だった。いつもは人目を気にして、どこかで回りからの攻撃に怯えていたところがあったけど、ここは症状に差こそあれ皆アトピーだから、のびやかな気持ちで過ごせた。 同じ民宿の…

二日目 土佐清水⑥

土佐清水病院で初めてアトピーの処置を受けた翌朝。 夜は包帯キチキチで初め寝苦しかったが、結局ぐっすり寝た。ムズムズ痒みが出たとき包帯のせいで掻けないのは困ったけれど。薬を浸透させるための包帯は、掻かない (掻けない)という意味でも良いのかも。 …

薬つけ 土佐清水⑤

サンドバスから出て男女別になった処置室に入った。部屋に入ると、ちょうど私の前にサンドバスを出た人の薬つけが終わったところ。そうやって上手いこと回しているようだ。 パンツ一枚になって新聞紙 (だったかな?) の上に立ち、看護師さんが二人がかりで全…

サンドバス 土佐清水④

民宿で夕食を食べたあと、着替えとタオルを持って母と病院へ向かった。治療はたしか19時頃からだったと思う。 民宿ごとにローテーションで時間が決まっていたから、自然ほかの宿泊者と連れだって行くことになる。入院の "先輩" たちが、これからどんな処置を…

民宿 土佐清水③

アトピー治療の為に泊まり込むことになった民宿は、いかにも民宿らしい建物だった。病院から歩いて10~15分くらいだったか。近くにスーパーなんかもあって、便利な立地だった。 気さくそうな女将さんが出迎えて、建物の案内をしてくれた。 広めの玄関のすぐ…

土佐清水病院 土佐清水②

産まれて初めて飛行機に乗った。高知行きの飛行機はガラガラで、それでも通路側の席だったから乗り出して窓の外を眺めた。 ぐんぐん小さくなっていく街が、技術のはんだごてで作った回路基板に見える。母にその発見を伝えると、「そお?」と言われたが、後々…

頼みの綱 土佐清水①

母が言った「高知に行ってみんね」。この頃アトピーがかつてなく酷くなり、日々頭髪が大量に抜けるようになっていた。「このままではハゲる」と危機感を持った母が、高知県にある土佐清水病院に行ってみないかと声をかけてきた。 アトピー患者たちの最後の拠…

いざ、思春期

中学1年の初夏、ついにやってきた。母に言ったら「おめでとう」なんて言ってたが、私としては何か暗雲立ち込めるような想いがした。 しかし、「思春期が来ればアトピーは治る」と医者が言っていたのは忘れない。漢方内科の医院長だけじゃなく、総合病院でも…

経過

小学校中学年頃の写真を見ると、顔も含めて全身真っ赤で見るからにゴワゴワしていて、眉毛も無いし(かゆさのあまり自分で抜いてしまった)、かゆくなるからと刈り上げで前髪デコ上の短髪だったのが余計痛々しさを増している。 この頃の写真は恐ろしくてなかな…

お父さんと

朝はお湯を浴びて、夜はお風呂の後に、全身に保湿剤のワセリンと酷いところにはステロイド剤を塗っていた。 夜は父が薬つけの担当だった。几帳面なところがあって、人体図に塗る薬の名前を書き込んで柱に張りつけていた。その人体図に「ちんちん」なんて部位…

皮膚科への通院

小学校から中学一年にかけて、各種民間療法も加えて試していたが、基本的にはずっと総合病院の皮膚科に通い、そこで処方される薬を塗っていた。たしか粉薬も飲んでいて、かゆみを抑えるという抗ヒスタミン剤だったか。これは甘めで苦じゃなかった(はず)。…

強迫神経症的な

全身の肌が赤くむくんで、カサカサじゅくじゅく、特有の嫌な匂いを放つ。そんなんだから、何か "漠然とした不安" みたいなものに憑かれたりするのかもしれない。 『アトピーの悪いものを集めて宇宙に飛ばす』というイメージに取り憑かれていた時期があった。…

漢方

小4くらいから通いだしたのが、漢方を扱っている内科の診療所だった。そこは消化器内科だけれどアレルギー診療も掲げていた。 母が知り合いからここの漢方がアトピーに効くと聞いたらしい。「この頃はとにかく良いと聞けば何でも試した」と母の談。 診察室…

婆ちゃんと祈り

両親と兄と、父方の祖母と一緒に暮らしていた。祖父は私が産まれるだいぶ前に亡くなっている。 共働きの両親に代わって、祖母が私と兄の面倒を見てくれた。看護師の母親が準夜勤の時は晩御飯も作っていたし、年二回、彼岸のこし餡おはぎは本当に美味しかった…

あるある? 〜小学校時代〜

<いろんなものをベタベタにする> 自然に保湿ができないため手先にもワセリンをつける。できるだけ肌に擦り込むようにするが、どうしても油分が残る。故に基本的に触った物がベタベタになる。簡単に拭けるものならいいが、 リモコンのボタンはやっかいで、…

小学校3年生くらいだったか、うちにバブルスターが来た。 バブルスターとは、浴槽に備え付けた器械のノズルからぶくぶく泡が出るという家庭用温浴器で、神経痛や疲労回復に効くと謳われていた(ようだ)。それがアトピーにも良いとかで、看護師だった母が病…

地獄のプール

母親がここしばらく、自分の子育てのやり方を振り返って「良かったのかどうか…」と想いを巡らせているらしい。そのなかで、「あんなに厳しくしなくてもねぇ…」というのが、小学校の体育のプールだ。 アトピーが全身酷くなった小3の頃から、プールが嫌で仕方…